二〇二三年一〇月一九日(木)
召使の休日
召使は王様に使えていた
王様は何もできなかった
何もできないくせに威張り散らしていた
できることと言えば
選んでもらった服を最後自分で選ぶだけ
しかも最後の最後はどっちが良い? と
召使に確認をした
召使はその時、自分が鏡に思えた
出かける際は召使が馬車を走らせた
食事の用意もした
王様がするのは食べることだけ
片付けも召使が当然のようにやった
眠る前に王様にお話も聞かせた
眠る場所は部屋の隅っこだった
召使はそれらが嫌ではなかった
王様は王様の仕事をしているだけだから
召使は召使として召使った
ある時気まぐれに王様が言った
召使に休日をやろう
召使は戸惑った
自分のしたいことなんて
これまで考えたことがなかった
とりあえず召使はテラスに出て
煙草を吸った
ぼんやりと空を見た
早く王様に命令されたかった
二〇二三年一〇月一九日(木)
朝、山の家でぼんやりしてたらパイセンが迎えに来てくれる。昨日、ショーエイくんと飲みながら麻雀をしてナッキーに送ってもらって足がなかったから。珈琲を飲みながらぼんやり考えていたことを話す。ハイマグのブースのテント張りを中心に、美術館の石庭を見に行ったり、パークゴルフ場の芝刈り機を見に行ったり、桜はもうすっかり咲いていて、道中ずっと景色に見惚れてた。人口減少でいつか行政の維持さえできなくなってしまうかもしれない地域に活気を取り戻すって大義こそあれど、この景色とそこに住む人たちの生活が細々でも続いているだけで、ものすごいことだと改めて実感した。いつまでたっても、どこにいっても、旅人の目線は変わらないだろう。詩が書けるってことは、心に風が吹き抜けるってこと。循環の中で生きるということ。夜、こーへーがきた。
朝、山の家でぼんやりしてたらパイセンが迎えに来てくれる。昨日、ショーエイくんと飲みながら麻雀をしてナッキーに送ってもらって足がなかったから。珈琲を飲みながらぼんやり考えていたことを話す。ハイマグのブースのテント張りを中心に、美術館の石庭を見に行ったり、パークゴルフ場の芝刈り機を見に行ったり、桜はもうすっかり咲いていて、道中ずっと景色に見惚れてた。人口減少でいつか行政の維持さえできなくなってしまうかもしれない地域に活気を取り戻すって大義こそあれど、この景色とそこに住む人たちの生活が細々でも続いているだけで、ものすごいことだと改めて実感した。いつまでたっても、どこにいっても、旅人の目線は変わらないだろう。詩が書けるってことは、心に風が吹き抜けるってこと。循環の中で生きるということ。夜、こーへーがきた。
1977年東京生まれ 詩人。