二〇二五年〇五月二八日(水)
雨でびしょ濡れになったテントを
実家に干して二週間も経った頃
子供たちとすることのなかった休日に
片付けに行った
夕刻前に着くと去年定年した親父が寝巻き姿でいて
いつになく子供たちにかまっている
テントは上手に畳まないと袋に収まりきらないから
親父の手を借りることにした
昔若かった親父はどこからどう見てもお爺ちゃんで
時折何かに関心したりしながら
広げた四隅を一緒に引っ張ったり
たまに落としたり
夢中になって手伝ってくれた
俺も不慣れだったけど
大きな失敗もなくテントは畳まれた
きっとこれが
親父と同じ気持ちで取り組む
最後の作業なんじゃないか
所狭しと広げられたテントがなくなったことを
母親は喜ぶだろう
傍の子供たちは
たいして興味もなさそうだ
来月またキャンプの予定がある
その時は一人でも
なんとか畳めるだろう
二〇二五年〇五月二八日(水)
田渕くんたちが前乗りで北海道へきた。空港への迎えの帰り、温泉に寄って会場に戻ったら、暗くなりかけた山の中に、楽園みたいな感じの薄明かりが灯っていた。パイセンが起こした炭で、純粋な前夜祭が始まった。降り出した雨の中ライブをやって、気づいたらみんな寝てた。康とたくさん話した。全ての瞬間がそれぞれの人生の交差点。
田渕くんたちが前乗りで北海道へきた。空港への迎えの帰り、温泉に寄って会場に戻ったら、暗くなりかけた山の中に、楽園みたいな感じの薄明かりが灯っていた。パイセンが起こした炭で、純粋な前夜祭が始まった。降り出した雨の中ライブをやって、気づいたらみんな寝てた。康とたくさん話した。全ての瞬間がそれぞれの人生の交差点。
1977年東京生まれ 詩人。